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当然というか何と言うか、私の前に置かれたお茶碗や小皿は他の方々のそれより一回り小さい。それは有難いし、折角準備していただいたのだから全部食べなくては、とも思う。
けど。
「……」
サラダとお味噌汁はどうにか食べ終えたものの、問題は煮物と炊き込みご飯で。美味しいとは思うしどちらも半分ほどは食べたのだけれど、それが限界だった。
「Aちゃん、食べきれなさそう？」
「……すみません」
「いきなりいっぱい食べろって言われたってそりゃ無理だよ、ゆっくり慣らしてこうね」
まずは半分食べられただけ上出来、と笑ったしんぺい神さんが、正面でもぐもぐとご飯を咀嚼するエーミールさんを見やる。
「エミさん、まだ食べれる？」
「ええ、大丈夫ですよ」
「じゃあ残り食べてもらおうか」
「……え、と、いいんですか？」
幹部の皆さんのならまだしも、私の食べかけなのに。Aさんが気になさらないならいただきます、と微笑むエーミールさんに食器を差し出しながら、やはりおかしいと思う。
どうしてこの人たちは、平然と私を招き入れるんだ。
ああもう、上手く考えられない。
「……、っ！」
一旦落ち着こうとお茶に伸ばした手が、反射的に右側の空間を凪いだ。本能より一瞬遅れて掴んだ同類の気配に腰を浮かせながら振り向くと、ゾムさんが私の手首を掴んで止めている。
「……んふふ、やっぱAええな、おもろいな」
「こらゾム！ Aさんにちょっかいかけんのやめえや、お前が一番わかるやろうに」
「はーい」
少し離れた席から飛んだトントンさんの叱責に気のない返事をし、ゾムさんはにやにやと笑う。ぱっと離された手は私が仕込んでいたナイフを握っており、これβ国のやん、と眺めているものだから落ち着かない。
「ゾム様申し訳ございません、とんだ御無礼を……」
「ええよええよ、俺が気配消しとったからやろ？」
はい、と案外簡単に返されたナイフを仕舞うと、それより、とぐっと顔を近づけられて思わず及び腰になる。
「それだけしか食わんの？」
「……はあ、まあ……」
「足りるん？ 今腹減ってないん？」
「いえ、これでもいつもよりは食べた方でして」
「嘘やろ！？ それで！？」
誰か助けてはくれないかと視線をやるも、トントンさんやエーミールさんは苦笑いを浮かべ、ショッピさんやコネシマさんはただ傍観を決め込み、シャオロンさんやグルッペンさん、ひとらんらんさん、ロボロさんは興味津々といった様子でこちらを伺っている。
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陽乃(プロフ) - 黒猫さん» コメントありがとうございます、黒猫様の御趣味に添えられたようで嬉しい限りです。続編ものんびり書いておりますので、楽しんでいただければ幸いです。 (2020年5月29日 16時) (
レス) id: 89afdb7f98 (このIDを非表示/違反報告)
黒猫 - 全て見させていただきました。俺はこういう作品が好きなので、とてもいい気持ちになりながら見ていました。神作品をありがとうございます。 (2020年5月21日 10時) (レス) id: 0779f5a88d (このIDを非表示/違反報告)
陽乃(プロフ) - （名前）さん» コメントありがとうございます。建物の設定は実在する基地や城塞、そして仰る通り大脱走など御本人たちの動画を参考にした部分もありますね。気づいてくださって嬉しいです。 (2020年4月12日 21時) (レス) id: 4760b364cd (このIDを非表示/違反報告)
（名前） - 9の途中まで見ました〜なんかPX、商店、、かな？みた途端、大脱走元にしてるんかなって思ったーーー！！実際どうですか？本当に大脱出が元だったら、、違うくても、話の作り方、うますぎる… (2020年4月12日 19時) (レス) id: ca685f05f7 (このIDを非表示/違反報告)
陽乃(プロフ) - 黒胡椒さん» コメントありがとうございます、のんびり更新していきますのでよければお付き合いください。 (2020年4月4日 3時) (レス) id: 4760b364cd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：陽乃 | 作成日時：2020年3月16日 17時
