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「…悪い？」
ぷいとそっぽを向く梨愛
素直じゃないな…自分からここに来たくせに
「いや、別に
…でもいいの？皆探してくれてんじゃない？
この調子じゃ…」
「…そんなこと、ないと思うけど」
「…あんたは自分のことを過小評価しすぎ
あんたはみんなに心配されてるの
いい加減気づいたら？
あんたを思ってくれてる人が可哀想になってくる
それはもう、私の友達、桃海だって
見ていて可哀想なんだよ
彼女はあんなにあんたのことを心配して、色んなことをしてくれているのに
あんたは…それに、何もしようとしてないんだもん」
「それは、分かってる…
だから…消えようと…そう思っただけ」
「あんた、ばか？
なんでそんな発想になるのよ？」
「…なんでって…」
「そんなことして
余計、誰かに心配かけてるの
分からないの？」
「…でも、私がいなくなったら全て済むんじゃないかな」
「そう思ってるのになんで私の家に来たの？
結局はあんたに消える勇気なんかなかったのよ
…そりに、仮にあんたが消えたところですべて済むわけないじゃない
結萌だって桃海だって紗奈だって香恋だってあんたの家族だってさ
ずっと、あんたを探し続けるよ？
余計、心配をかけるだけって
あんただって分かってんでしょ」
梨愛は私から受け取ったタオルで頭やら顔やら足を拭きながら
俯いていた
ふぅ…と私はため息をついた
「…優希だっけ…あの子、もしかしたら探しに言ってるかもね」
「…え？」
「…もう、チャンスはない
詳しくは言えないけど…
今日を…あの二人の誕生日を逃したら
もう、チャンスはないと思いなさい」
「…それってどういう…」
「分かってるんでしょ？本当は
いい加減認めたらいいのに」
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作者名：小夜時雨 | 作成日時：2019年3月24日 13時
