優しい嘘と冷たい言葉 2 (ページ35)

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梨愛がいなくなった

その言葉を聞いた時一瞬思考が停止した
そしてその言葉の意味を考えてみる

あぁ、ダメだ悪い予感しか浮かんでこない
涙声で梨愛を見なかったかと聞く梨愛のお母さんに私は

「ごめんなさい…梨愛は…見てません…」
「…そう、ごめんね急に電話かけて…
あの子…傘も持たず外に行っちゃって…おっちょこちょいよね…」
「…」

窓に叩きつける雨の音
この雨に気づかず傘を持たずに外に出て行ったのか
おっちょこちょい…だったらいいのになぁ

「あの、梨愛探してみましょうか？」
「…大丈夫…今、私が探してるから…」
「1人より大人数の方がいいです
私、一緒に探してくれる友達探しますから
それに、こんなこと言いたくないんですけど

何かあってからじゃ遅いんです」

電話ごしからひゅっと息の音が聞こえてきた
…今思えばあの時気づいてあげれば良かったな
明らかに言動がいつもと違うかったんだもん

友達として気づいてあげるべきだったなぁ

「…探してくれる…？」
「勿論です、今から探します
見つけたら連絡しますね」

「…車とかには気をつけてね」
「…はい、もう怪我はしないようにします」

それではと会話を済まし
電話をきる
メッセージアプリを開いて
片っ端からメールをする

返事なんかみずに私はパーカーを来て
梨愛用の折り畳み傘を鞄に入れた

家を出ていこうとした時
お母さんに呼び止められた