優しい嘘と冷たい言葉 2 (ページ34)

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ザーッと雨が降っている
何だか、最近は本当、憂鬱だ

あんなこと考えてから余計に…なんだけど

そもそも優希が私のことでストレスを抱えてしまったかなんてそんなこと本人にしか分からないだろう
私は梨愛であって優希ではないから優希の気持ちなんて分かりっこない
だけど、あの時の優希の様子は明らかにおかしかった
無理矢理頬を上げて微笑んだようにみせかけていたけど
それはもう泣いているようにしか見えなかった
涙は見せてはいなかったけれど顔を歪め口をぎゅっと紡いで…それはもう泣き顔以外の何者でもなかった
優希にそんな顔をさせてしまったのは私だ
それは紛れもない事実であって…
決して、誤魔化しの効かないことだ

…何だか最近今までの後悔という感情が押し寄せてくることが多くなってきたように感じる
何かとあれば昔のことを思い出してしまい
その度に後悔にくれる毎日
正直、参ってしまう

別に体に影響が出た訳でもない
食欲はあるし
睡眠はとれるし
食べ物も美味しく感じる
生きているという実感も湧く

参ってしまったのは今までの私だ
…なんだかんだで嘘をつくことが悪い事だと気づいたのにも関わらず
私は嘘をつきつづけた
それは人のためを思っての嘘だとか誰も傷つかない私だけが傷つく嘘だとか綺麗事をほざいてきたが

…今思えばその嘘はまた違う誰かを傷つけていただけじゃないか？
違う誰かを苦しめていただけじゃないか？
誰かにとっての呪いになっていたんじゃないか…？

…馬鹿みたいだ
結局ただの自己満足に過ぎない行動だったんだ
私が思っていた優しい嘘は、他の誰かからしたらとても冷たいものだったのかもしれない

ザーッと雨が降っている
…もういっその事
この雨の中に溶けてしまおうか

乾いた笑みがもれた

…今日は10月5日