優しい嘘と冷たい言葉 2 (ページ31)

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「…やっぱりか…」

確かに、この病気そのもので亡くなったりしたケースはない
ただ、自_殺をするというケースは
患者5人のうち一人が自_殺を図るらしい

自_殺の原因は様々
だけど、1番、多いのは

「…鬱…か」

そう、病院生活が長引いていく間にだんだんと鬱になっていってしまうらしい

…だから医師は長期入院はさせないように
時々家族に退院のことを話しているようだ

…なら、優希も…

あの3人を思い出す
車の中では確かに暖かい空気があった
…上辺だけのことでは

よく、見てみると何か大きな壁がある
それも親と子ではない
一人一人に凄まじい超えられない壁が存在している

…その壁に近づく人は居ないし
誰もがその壁を避けているようにも見える

「…なんかな…」

優希の話だと
優希の病気が原因で家族関係が崩壊したと言っている
…優希が入院して家族関係が元に戻ったと優希は言っていたが
それは、違う

明らかに…どこがギスギスとした空気がある
確かに皆話し合ったりとはしている

…だけど、
みんなの笑顔がまるで人形みたいなんだ

パターンがひとつしかない人形

その様子は見ていて不気味だった
…不気味だから目を逸らしていたのかと言われたらそれは、違うと答える
不気味だったからじゃない
…なんというか罪悪感が私を襲ったのだ

小学校の頃私は優希と仲がよかった
それこそ親友のように
だから、お互いの家で遊ぶことも沢山あった

その時、お母さんしか見たことがなかったんだけど
お母さんの表情はしっかり人間味があった

なのに、今はどうだろう？
まるで天と地の差
あれほど暖かかった笑顔は冷たいなんの感情も乗っていないものとなっていた