優しい嘘と冷たい言葉 2 (ページ28)

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結萌の病室に入ると結萌の両親がいたので軽く会釈した

結萌は大きな鞄に荷物をつめこんでいる

「…あ、梨愛〜お久ー」

「おひさ～…あれ？優希は？」

「優希は寝てる〜」

「起こさなくていいの？」

「優希って誰かに起こされたらめっちゃ機嫌悪くなるんだよねぇ」

そう言って笑う結萌からは優希を大切に思っていることが伝わってくる

「でも、今日は起こしたらどう？
せっかくの退院なんだし」

「…あぁ…うん」

結萌は両親の様子をみはからってこっそり私に耳打ちした

「…私も初めは言ったんだけど、お母さんとお父さんに止められてさぁ」

…そうなんだ
でも、どうして…

「いよっし！終わったぁっ！」

結萌がそう言ってファスナーを閉める

「結萌器用だね…片手しか使えないのに」

「もともと左利きだからねぇ」

…へぇ、それは初耳だなぁ

「よし、じゃあ結萌も支度が出来たわけだし
帰るか」

「ええ、そうね
梨愛ちゃんもわざわざありがとう
送っていくわね」

「あ、どうも」