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…いつの間にか彼女の周りに人はいなかった
学校では1人だった彼女
…彼女の居場所は家だけどなっていた
彼女はその家の長女
彼女には両親と1人の妹がいる
不器用な彼女でも家族の前だけには素直になれた

…ある日
彼女の妹がこんなことを言った
「私、友達に見捨てられちゃった」

☆。.:*・゜
はっとし彼女を見る
相変わらず隠れた目元
どんな顔をしているのかよく分からないが
彼女の口角は少し上がっていた
☆。.:*・゜

友達に見棄てられた
その意味が彼女が理解するのにはしばらく時間がかかった
何も、言葉が理解出来なかった訳じゃない
見棄てられたとは友達の誰かに裏切られたのかということくらいは想像はついていた

…何が理解出来なかったのかと言うと
彼女が…妹が友達に何故見棄てられたのかだ
妹は活発ではない大人しい子だったが話は上手かった
姉と比べて感情表現も豊かで多くはなくても彼女を大事にしてくれる友達はいた
その友達と妹の関係はとても良いものだった
時には喧嘩もしていたし
その度に妹の愚痴を聞かされていた
けど、なんだかんだで友達のことを嫌いにはなれなかったのが妹だった
それは勿論相手側も同じだったのだろう
愛嬌がいい彼女の妹のことを心から嫌いになることは難しかった
喧嘩だっていつの間にか終わっていて
今まで通りの関係に戻っていっていた

…友達に見棄てられたというのはいつものただの喧嘩の話じゃないのか?
そうであって欲しい
何日かしたらまた友達を家に連れてきて暴れまわってくれるだろう

…そう彼女は自分に言い聞かせどうしたらいいから分からないまま妹の頭を撫でた

これ以来…妹が友達を連れて家に来ることは
もう、訪れなかった

休日、妹が熱を出したので病院に連れていった
普通の風邪だとばかり思っていたのに
…いや、この熱はただの風だったことは間違いない
…多分、医師は何か引っかかることがあったんだろう
風邪の検査とは違うある検査を行った
…検査が終わったあと
医師から告げられた言葉はあまりにも残酷だった

「…病気…?治すことは難しいって…」

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夢咲花 - これからがとっても楽しみです (2019年3月5日 15時) (レス) id: 3588ccbe80 (このIDを非表示/違反報告)
夢咲花 - 書いてくださってありがとうございます (2019年3月5日 15時) (レス) id: 3588ccbe80 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:小夜時雨 | 作成日時:2019年3月4日 20時

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