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「おっ…来たね」
あれからしばらくして
前方から人影が見えてきた
その人影は私たちの方に向かって走ってきている
「ちわ！涼風ー！」
江風が涼風に向かって大きく手をふる
「江風と山風じゃん
待っててくれたの？」
「江風がまっとこって…」
事実を言っただけなのだが
江風は何故か顔を赤くさて
「ばっか…姉貴…そこは…うんだけでいいんだよ」
「そうなの？」
「あははっ
そっか、江風が言ってくれたんだ
ありがとね
あと山風もありがとな ちょっと遅れてごめん」
「別に…そこまで待ってない
けど、他の皆は待ってると思う」
私は光の方へ体を向ける
あの光の先にみんながいるという絶対的な根拠はどこにもない
…でも、それでも私は…私達は信じている
皆があの光の先に待っていることを…
「そうだな行こうか」
「いえい！んじゃ、しゅっぱーつ！」
涼風の声を合図に私達は光に向かって走り出した
。°.。❅°.。゜.❆。・。❅。。❅
「白露、提督さん、急ぐっぽい！」
「あぁっ！ちょっと夕立速い！私が1番になるもーん！」
しかも提督息切れしてるし…
夕立が階段を降り、廊下を走る
大きなロビーにもにた場所に出てくると勢いよく扉を開けた
「あら、来たのね」
私たちに気づいた村雨がふっと微笑んだ
「村雨ー！ってあれ？まだ3人来てないっぽい」
姿の見えない山風、江風、涼風の事を聞くと
春雨が顔を曇らせて言った
「…海風から勢いがとまっちゃって…
他の3人がいくら呼んでも来ないの…」
「そうなの？」
「はい…提督、3人のこと何か知りませんか？」
五月雨の問いに提督は首を振った
「…どうしよう…」
海風の不安げな声
…もし、このまま3人が現れなかったら？
考えるとゾッとした
3人はこの世界に生まれてくることが出来なくなる
そんなの…嫌だ
「…そんなの…」
無意識に声が漏れる
何故か涙が出てきた
「…みんな…やだよ…」
春雨の弱々しい声があたりに響く
…もうその場の皆が諦めたかと思った…
…けど…
「あの3人ならきっと大丈夫だ」
「そうっぽい あの三人は皆と共にこの世界で生きることを望んでるっぽい」
「白露、春雨、大丈夫だよ
絶対に三人は来るよ」
時雨と夕立が私の肩に優しく手をおいた
「「白露、3人を迎えるのは…1番艦の…白露の役目だよ(っぽい)」」
「…！！」
「…そうね
白露姉さん、…この村雨の勘が言っているわ
三人は…絶対にもうすぐ此処に来るわ」
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作者名：小夜時雨 | 作成日時：2019年3月3日 17時
