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…その間に二水戦が壊滅的な状況に陥ってしまってね
江風は第4水雷戦隊から第二水雷戦隊へと再編入されることになったんだ
…そしてベラ湾海戦で敵の先制攻撃によって
同じ夜戦に参加していた萩風・嵐・時雨のうち
萩風、嵐そして江風が同時に被雷
後に3隻が沈没していってしまったの
江風は常に戦場の前線に立って戦ってきた
その分損傷も多かったけれど最後まで自分の任務を果たそうとしてきた
そんな江風は此処に来たらその事をたっくさん褒めてあげないとね
＿「あれ？山風の姉貴どうしたんだ？」
何も見えない暗がりに光が見えたのは突然だった
「…江風…？」
「そうだ 姉貴、道から外れてるぞ〜
出口はこっちだ」
江風がぴょこぴょこと飛び跳ねながら指さす位置に視線を向ける
「…今、誰かの声が…」
「あぁ、姉貴達の声だと思うな」
「…皆の声？」
「あぁ、そうだ ちと、はやく言った方がいいかな…」
「そうだね…じゃあ行こうか」
「あぁっ！ちょ、ちょっと待ってくれないか…？」
「？どうしたの？」
「…ちょっとここで待っておかないか？」
「…待っておくって…なんで？」
「ほら、その…まだ来ていない妹がいるじゃん？」
「…涼風のこと？」
「あ、あぁ…ちょっと心配だから…」
「んー、わかった」
後ろを振り向く
…先は見えない真っ暗な闇が広がっている…だけれど何だかもうすぐ
私達の末っ子が走ってきそうな気がする
「…というか山風の姉貴…なんでそんな笑ってるんだ…」
「…江風ってやっぱり優しいよね」
「…あ、はは…そ、そうかなぁ」
末っ子の涼風が此処にくるまでもう少し待ってみよう
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作者名：小夜時雨 | 作成日時：2019年3月3日 17時
