【文スト】白虎の片割れ。第二幕

Episode.71 - Farewell ページ34

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「鏡花…」



目を瞑っていた鏡花に、私は目を開ける様に言った。



「姉、様…？」



「もう…大丈夫。行こうか」



鏡花の視線を私の着物の袖で遮った。



「…うん」









倒れた筈の影がひとつ、再び蠢いた。



男の手には、拳銃(・・)────




「「死ねェェェェェ！！！」」






「───────！！」









刹那、乾音。

咄嗟に男の首を掻き斬り、視界に紅いモノが舞った────









吐血。銃弾は、私の胸を貫いた。









倒音。









「───────！！！！」







鏡花には、とんでもない物を見せてしまったな。



血がどくどくと流れて行く。








「…あ……」



鏡花の表情は恐怖に満ちていた。
ごめん…鏡花。最後に、お願いを聞いて。









「きょ…うか……逃げて。……ここではない、…どこか、へ」





「…嫌だ……！」






「駄目、行って鏡、花…！貴女は…強い、から…。

……生きなさい！」









_______鏡花は走って逃げてくれた。


ごめんね。こんな思いをさせてしまって。








そして…誕生日当日、祝えなくてごめんね。









意識が朦朧とし出す。

雨は強まり、私達を隠そうとする。





地には、紅い血が広がるばかりだ。





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Farewell=別れ

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