【文スト】白虎の片割れ。【中島敦】

Episode.19 - Some day ページ21

夜。



「A。そろそろ遅い時間ですわ。
もうそろそろ、寝たほうがいいですよ？」



時計は、もう夜の10時を指していた。



「本当だ…
じゃあ、そろそろ寝るね？…おやすみなさい、母様」



「おやすみなさい。…良い夢を」







.



そういえば…最近、鏡花と満足に遊べていない。

そう思った私は、鏡花の部屋にそっと入らせて貰った。









部屋の中は薄暗い常夜灯が着いていて、丁度、鏡花の顔を照らし出していた。







「…ねえ、さま」



「！！」








起こしてしまったのかな？


ごめん…！起こしちゃって…







と、言おうと思ったその時、鏡花は寝返りを打った。





…なんだ、寝言だったんだ。でも。









「ごめん、ね、鏡花。近いうちに、また遊ぼう…？」



起きている筈のない鏡花に向かって、ひとつ呟いた。



「……」







.









…御免なさい、A、鏡花。
貴女たちの距離を遠ざけてしまって。









いつか、鏡花には、______を。









A、もう少しだけ。
もう少しだけ、私に付き合って下さい___









.




Some day=いつか

Episode.20 - Shrink→←Episode.18 - Alone

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す