【文スト】白虎の片割れ。【中島敦】

Episode.11 - With ball ページ13

A Age.10

今日は晴天。雲ひとつない、真っ青な空。



その下で、私と鏡花は、向かい合って鞠を突いていた。



「…Aねえさま、やっぱり、まりつきってむずかしい」



「誰だって、最初は出来ないよ？

それに、鏡花と私は四つ違いだもん。
私だって、鏡花くらいの頃は上手く出来なかったよ」



そう。私達は、鞠を突いて遊んでいるの。



「じゃあ、私がお手本を見せてあげる。見ててね」







唄を口ずさみながら、

前からずっと練習していた足どりで踊り、鞠を突いていく。



ちょっと息苦しいのは、気の所為かな___







.









「すごい。ねえさま、わたしにもおしえ___」



倒音。



何だか、大きな音がした。







違う、音を鳴らしたのは私だよ…



…どうしたんだろ、凄く息苦しい。



咳が止まらない(・・・・・・・)。



「ねえ、さま…？」



鏡花の声を遮る様に、咳が次々とこみ上げる。
喉がひゅうひゅうと鳴る。



「ね、さっ…！えさ、ま！…！」



鏡花の声が遠のく。



私、一体どうしたの…？



…助け、て…







.



With ball=鞠つき

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