【文スト】白虎の片割れ_____凜。第四幕

Whisper____03 ページ5

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太宰の手前には、曰く「不発弾」。
“偽事件”の栄えある主役になる予定らしい。



____試験内容は下記の通り。

探偵社に爆弾魔が現れ、「とある爆弾」で一般市民を人質に探偵社に立てこもる。

今から、その「悪漢」を演じる者、「英雄」を演じる者が選出される。


さて太宰をはじめ_____次々、国木田、与謝野、賢治、と籤を引いた後、「計画籤」を作り上げた張本人である谷崎、最後に“何も”知らないAの順で引いていく事になった。


《新聞の表裏頁の合算が最も小さい籤を引いた奴が、今試験の悪漢だ。
場合によっては、その次に小さい籤を引いた者も考える。》

籤を引いていく毎に、国木田の台詞を無意識に反芻(はんすう)させられる。
指の下に隠された数字が、緊張の層をさらに作り上げていった。




_____さて、全員籤を引き終えた。





「さあて、皆同時に開けてみようか」


籤の端をぴらぴらと振りながら太宰が云った。



「…否、籤を引いた順で開いていくぞ」



ほぼ棒読みの口調で国木田が云った。
どうも太宰を悪漢にしてやりたいらしいのだが、さて叶うものなのか。

「計画通り」の言葉を期待するように、国木田は眼鏡のブリッジを押した。



「…はいはい、国木田君のおおせのままにぃ」




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…ぱらり。国木田の合算は、「15」。

続いて太宰。合算は「7」。国木田の表情が何処か光った。


合算点の最低は、「1」と「2」がペアである「3」だ。つまりこの調子でいくと、詳しくは云わないがそういう事になる。


次に与謝野______「55」、また続いて賢治、「67」。




次。


「ねェねェ、ボクとAちゃん最終(ラスト)籤だし、同時に開いて見ない？
…あ、国木田さん、いいですよね？」


構わん、と国木田が答えた。


「はい。では、せーので行きましょう！」


Aは笑顔で承諾した。
よし、と谷崎が呟くと、自信ありげな表情を浮かべる。


「「せーのっ」」




ぱらり。さて結果は。




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