Episode.112________ ページ37
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トランシーバーが途絶え、Aとの連絡手段は完全に絶たれた。
残るは与謝野曰く頭領との異能力経由所の事務室のみ。
頭領が太宰に話した己の異能は、
「半径27.5kmの範囲に自分ごと転送する」。
…その掴んだ情報が、真であればの話だが。
「そんな…ナオミ、Aさんが戦えないとは思いませんが、此れは…」
震えた声を上げたのはナオミだった。
口を抑える手も、小刻みに震えている。
その震える手を、それよりも大きい手で包み、「ナオミ」となだめる谷崎。
国木田が再度遠隔でトランシーバーに応答を訴えかけるも叶わない。
________不味い。入社試験を継続するには、危険な状態。
ことんと小さく音を立て、仕込み杖の鞘が座った。
入社試験監督を任された張本人である与謝野の表情は既に焦りを通り抜け、何か違うものとなっているように見える。
Aならきっと。そんな不確かな確信が仇となった。
小さな弱声とともに、手袋に包まれた華奢な指はそっと蝶の髪飾りへ伸ばされる。
沈黙が走った。
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仕留める。
さよなら。
この戦いに、もう余波は許されない。
残された猶予は数分のみ。
閃光の如く目を光らせながら、Aは距離を詰める。
「夜叉そのもの」と表現したが、これは夜叉と云うより_______。
頭領は拳銃を棄て、懐から愛でるように銀色が展開する。
棄てられた拳銃は、地を叩く前にふと消えた。
頭領は殺気立った表情。
ある種の
________白と、
防御姿勢を一部保ちながら、頭領は攻撃の姿勢に入った。
Aは構わず攻撃を仕掛ける。
相撃つ_________。
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あやねっち - 更新楽しみです! (2020年6月21日 11時) (レス) id: a393e3772d (このIDを非表示/違反報告)
Aster.(プロフ) - 姫歌さん» 姫ちゃん!いえいえありがとう(*^ω^*)うふふふ、やったぜ。嬉しい…。 (2019年7月1日 17時) (レス) id: 2abe5b8ef1 (このIDを非表示/違反報告)
姫歌(プロフ) - 遅くなって御免!第三幕完結おめでとうございます!ボードでそのうち長ったらしい感想送ります (2019年6月30日 14時) (レス) id: d8a4d97043 (このIDを非表示/違反報告)
Aster.(プロフ) - 奏さん» 奏さんありがとうございますー!おお!良いところを突いて来ましたね…?嬉しいです(*^ω^*) (2019年6月26日 15時) (レス) id: 2abe5b8ef1 (このIDを非表示/違反報告)
奏(プロフ) - 続編楽しみにしてます!!!5/5…まさか、敦くんの夢主ちゃんの…?!! (2019年6月25日 23時) (レス) id: ecccbd24aa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Aster. | 作成日時:2018年11月4日 18時