検索窓
今日:9 hit、昨日:6 hit、合計:197,217 hit

Episode.100 - Soul ページ25

_



「【九尾】は9人で構成されていない」




音源は乱歩だった。
それは珍しく、焦り、悔しさが入り混じった声色だった。

何時ものような余裕はなく、
『僕とした事が、見落としていた』と、強く唇を噛む。


悔しさをハンチング帽にぶつけ、くしゃり、と簡単に形を歪ませる。

この余裕の無い表情の乱歩を調査員の面々は驚きを隠せないでいた。









「______ 一体、どう云う事ですか」


と国木田。





「でも_______先程、軍警の方から【九尾】の9人全員の逮捕が完了したと連絡が」



と谷崎。





今までに無い劣等感を抱いたらしく、歯を音が鳴る位まで噛み締める乱歩。







「…時間が無い、直ぐに云う。

『九尾の狐』は妖怪。『神』と云われる事もある。
しかしそんな九尾の狐と云えど、尻尾九つでどうやって動く(・・・・・・・・・・・・)?」





少しの間沈黙が起きる。




…そして。




「…否、少なくとも頭の部分、さらに魂みたいなモノがないと______」




口を開いたのは与謝野だった。
台詞の途中で言葉をぷつりと途切れさせ____


「真逆」


何かに気づく。




「…そうだ。あと一人残っている(・・・・・・・・・)

肝心の(頭領)だ。

魂の無い九尾は、
たとえ尾が九つあろうと唯のデカブツにしかすぎない。

つまり逮捕された九人は唯の本体(構成員)
本体(構成員)を囮にすれば(頭領)は自由行動が可能だ。

本体が無くなれば、また新しい本体を見つければ良いだけ」



乱歩は受け止めるように云った。



確信を持った(ブラウン)の瞳。視線は真っ直ぐ、貫くようなものだった。



乱歩はそのまま続ける。





「既に近隣に潜入、潜伏されている可能性が高い____否、されているだろう。


…拙い。場合によっては________Aが危ない」





_





Soul=魂







_

Episode.101 - Fraud→←Episode.99 - Documents



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (251 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
815人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

あやねっち - 更新楽しみです! (2020年6月21日 11時) (レス) id: a393e3772d (このIDを非表示/違反報告)
Aster.(プロフ) - 姫歌さん» 姫ちゃん!いえいえありがとう(*^ω^*)うふふふ、やったぜ。嬉しい…。 (2019年7月1日 17時) (レス) id: 2abe5b8ef1 (このIDを非表示/違反報告)
姫歌(プロフ) - 遅くなって御免!第三幕完結おめでとうございます!ボードでそのうち長ったらしい感想送ります (2019年6月30日 14時) (レス) id: d8a4d97043 (このIDを非表示/違反報告)
Aster.(プロフ) - 奏さん» 奏さんありがとうございますー!おお!良いところを突いて来ましたね…?嬉しいです(*^ω^*) (2019年6月26日 15時) (レス) id: 2abe5b8ef1 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 続編楽しみにしてます!!!5/5…まさか、敦くんの夢主ちゃんの…?!! (2019年6月25日 23時) (レス) id: ecccbd24aa (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:Aster. | 作成日時:2018年11月4日 18時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。