【文スト】白虎の片割れ。第三幕

Episode.87 - Disparate person ページ12

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お風呂で考えていた事は頭の隅に置いておき、先刻の居間に戻った。






お先頂きました、と一言言い、与謝野さんの隣に座る。







「お、上がったかい。…ん。水分補給」



「有難う御座います」と言い、与謝野さんからコップを受け取った。







「…あの、与謝野さん」



「何だい？」



私は自分の胸元に手を添え、こう言った。







「…傷、跡形も無く消えていました。
与謝野さんが処置して下さったんですよね、本当に有難う御座います」



「…ふふ、如何いたしまして」



与謝野さんは私の方を向き、ニッコリと笑った。私もつられて笑った。

しかし、弱い笑みだった事が自分でも分かった。






「とても不思議です、与謝野さん。
銃弾を受けた私でも、こんな風に治して仕舞うなんて」



「ああ。…でも、弾痕を治したのは妾(アタシ)じゃない。

妾の異能力だ」







…異能力？







「…与謝野さん、異能力者なのですか？」



「ああ。妾だけじゃなく、先刻探偵社にいた殆どが異能力者だよ」




「…！」





殆どが、異能力者。
あの時、不思議な雰囲気がしたのはそれだったのか、と記憶が語る。







「…私と、同じ人、たち」






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Disparate person=異能力者

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