【文スト】何故、こんな事に…。 パート６【男主】

会いが一つ　誘拐 ページ26

コンコンッ


パカッ


乱｢おぉ｣


｢おぉ…!!｣


福｢ふっ｣


｢凄いです福沢さん…!!｣


片手で卵を割った福沢さん。


俺は怖くて出来ない。


なんかさ、殻入りそうじゃん？


一切福沢さん入れなかったけど。


福｢カッコイイだろ？｣


｢カッコよかったです…!!｣


ぱちぱちと拍手した。


乱｢僕だって出来るしー｣


と、卵を持った乱歩さん。


福｢ま、まて乱歩っ｣


乱｢あ！｣


乱歩さんから卵を取り上げた福沢さん。


うん。


得策だね。


絶対乱歩さん出来ないよ。


｢乱歩さんには卵焼きを割ってもらいたいなー｣


乱｢！｣


チラッ、と期待を含む目で見る。


乱｢しょっ、しょうがないなー!!そこまで言うのなら僕が割ってあげるよー!!｣


御機嫌にダイニングテーブルの椅子に座った乱歩さん。


ふ〜ふふ、とニコニコしてこちらを見ている。


福｢…ふぅ、良くやった｣ﾎﾞｿｯ


｢ここまで上手くいくとは思いませんでした…｣ﾎﾞｿｯ


福沢さんが俺に卵を渡した。


それを両手で割る。


福｢お前も片手で出来るだろ…？｣


｢安全な料理をモットーにしてますんで｣


福｢ははっ、そうか｣


と、乱歩さんの隣りに座りに行った。


二人からの視線を背中に受けたまま、俺は卵を焼き始めた…。









乱｢卵入刀！｣


｢パパパパパーン、パパパパパーン｣


俺のBGMと共に、乱歩さんの持つナイフが卵焼きに切込みを入れていく…。


両端二センチ程を残し、卵焼きに切れ目を入れた。


乱｢開口！｣


手前と奥に卵焼きを開いた。


乱｢おぉ!!とろっとろ!!｣


福｢丁度良い焼き加減だな｣


｢…成功して良かったです｣


だがまだ油断は出来ない。


この後には『味見』という難関があるのだ。

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