カルテ1 ページ2
『暇ァ』
無駄に豪華な一室で頬杖をつきながらつぶやく私はどこぞの令嬢さながらである
このまま執事を呼ぶかのようにナースコールをならせば退屈を紛らわしてくれるだろうかなんて危ないことを考え出したくらい退屈な状況に溜息しかでない
骨肉腫、そう発覚したのはつい先日だった
いつまでたってもとれないどころか日毎増していく左手首の痛みをうったえてみたところ、医師から即入院と宣告された
医療に関して全くの知識がない私にはよくわからないけれど、どうやら手術が必要なほど悪化してしまったよう
1日1日と過ごしていくうちに焼けるような酷い痛みが現れる場所が少しずつ増えていくのが自分でもわかる
これが転移ってやつなんだろう
最近では動くことすら億劫で、こうして病室にこもっているばかり
だって痛いんだもん仕方ない
とどのつまりやっぱり暇なのである
『ねぇーねぇねぇー暇だってばー』
子供がわがままを言う時のように足をジタバタさせながら言ってみた痛かった私が馬鹿だった
あまりの痛さに机に突っ伏せば、佐々木さんが声を上げる
佐々木さんというのは私の担当の看護師さん
彼の仕事はいつも完璧でしかも彼自身すんごく美人で、もう非のつけどころがないいい青年なんだけれども
「A、暴れちゃダメだって僕言ったはずだよね」
『佐々木さんお顔がこわいです』
若干サドっ気がまじってるところがなんか…うん
特にこの真っ黒い笑みとか…うんうん
なんともいえない、としか言いようがないのである
そんなことを考えながら佐々木さんを眺めていると、今度は心底呆れたようなそれはそれは深〜い溜息を彼はこぼした
あれ、佐々木さんって看護師だよね
あれ、私って患者だよね
「君ってほんとに病人なの?」
『あ、それ私もたった今考えてたところです』
以心伝心だねっ!とそれはもう爽やかな笑みで言えばハッ!!と鼻で笑われた
おかしいな病院って治療するところじゃなかったの、心がどんどん負傷してくんだけど
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夜叉 - 更新待ってます (2020年1月5日 16時) (レス) id: 3a59b74558 (このIDを非表示/違反報告)
なつ - 続き気になってます。もう更新されないのでしょうか? (2019年12月14日 18時) (レス) id: 0341c45b92 (このIDを非表示/違反報告)
炎舞(プロフ) - 待って大門先生がイケメン…すし…あ、違う好き…まじで大門先生だったら結婚してもいいかも…女だけど。あ、愛に性別も年齢も関係ないやい! (2019年12月5日 22時) (レス) id: fe6437d156 (このIDを非表示/違反報告)
ひな(プロフ) - 話の続きがきになって夜も眠れません!!更新待ってます (2019年2月3日 12時) (レス) id: 0e75753ca9 (このIDを非表示/違反報告)
espoir(プロフ) - また続き読みたいです。パスワードだけでも覚えていたら下にパスワードを入力して編集出来るので……!出来ればまた更新して欲しいです(´・ω・`) (2016年12月30日 10時) (レス) id: 9e86365e84 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:くおん | 作成日時:2014年10月30日 21時