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思わず涙がこぼれたけど、




ここで泣いたらダメだと思い、



『いつもごめんね』




と、彼の後ろ姿に謝ったのだった。









ご飯も、いつもこのくらい作ってくれよ。
手抜きしてんじゃないの〜?と言われ。




毎日夜遅くまで次の日の夜ご飯作って、
朝も早起きして、お昼ご飯も作って、




手抜きしてるつもりなかったのに。








息をするように、そんなことを言われて、
辛くて。


流石に私も我慢出来なくて。






『…今日は何で早く帰ってきたの?』



航「ちゃんと家に帰ってくるのか、俺が早めに帰ってくるって連絡入れても、帰り遅いのか。お前のこと試してみた。」


とあっけらかんと笑う彼。



航「そしたら、めちゃくちゃ早めに帰って来てるんだもん。早めに帰って来れんじゃん。いつも遅くまで何してんだよ。」



『今日は皆さんが天気も悪くなるって言ってるし早めに帰っていいよって言ってくれたから早めに帰って来れたんだよ。いつも仕事しかしてない。』


航「お前の職場どんだけだよ」


『私の仕事、知ってるよね?』


航「あー、7Kの法医学者、だっけ?」


と、嘲笑うように言う航。






初めて職業を彼に言ったとき、
航は、




航「立派な仕事だね。」


と言ってくれたのに。





目の前で私を嘲笑う、この人は、




誰?









『…貴方、誰?』





航「は?」



『私の知ってる航は…そんなこと言わない。』



航「お前、今まで俺の”何”を見てたわけ?」



そう吐き捨てられて、
彼は出て行った。





ここ最近しばらく帰って来ない。







『……というのが、最近の状況です。』




と中堂さんに洗いざらい話した。
引かれたかな。


どんな言葉が返ってくるのか、
私は黙って待ってた。




すると、









中「バカか!お前は!」



『っ!』



中「そんなクソ野郎、さっさと別れろ。」



『いやでも、』


中「そういうクソは謝ってきたとしても何度だって同じことを繰り返す。」


『…』


中「騙す方もクソだが、騙されてるって分かってるのに未だ一緒にいる奴は余程のバカだな。」




と吐き捨てて、所長室に篭ってしまった中堂さん。





そうなんです。






私は余程のバカなんです、中堂さん。









それから仕事がひと段落して、
帰るとき、


まだ所長室に閉じこもってる中堂さんに向かって、






『私の話聞いてくれて、ありがとうございました!』




一礼してオフィスを出る。






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夢充(プロフ) - Ericaさん» 初めましてー!コメントありがとうございます!わぁあ!嬉しいお言葉、痛み入ります…(>_<)これからも楽しんで頂けるよう精進します!また読んであげて下さい!! (2020年9月12日 1時) (レス) id: ea837440b3 (このIDを非表示/違反報告)
Erica(プロフ) - 初めまして。ニヤニヤしながら一気見しちゃいました。これからも楽しみにしています。 (2020年9月9日 18時) (レス) id: 5d04287811 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:夢充 | 作成日時:2020年8月19日 17時

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