遠いあなたと日常を (ページ25)

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朝。いつもの電車。

いつもの景色。いつもの人々。

今日は翔は車で出勤するらしい。

そして私は結論は出なくてずっと考えてる状態。

「おはようございます！Aさん！」

「おはよう、のぞみちゃん」

笑顔でそう返されても、なんだか今日は元気がない。

「大丈夫ですか？なんか顔が赤い？いや、熱い？ですよ」

私のほっぺに手をあてて、慌てるのぞみちゃん。

「ちょっと待ってくださいね。誰か呼んできます」

そう言われると、なんだか意識が朦朧とする気がする。

周りもちょっと騒々しくなった。

「おい、A？大丈夫か？」

気づくといつの間に出社したのか翔が心配そうに駆け寄ってきた。

すると翔は自分の前髪を上げ、私の額と自分の額をくっつける。

「ふふ、くすぐったい。」

「そんなん言う前に一回帰ろう。送るから。」

触れ合っていた額が離され、体が持ち上げられた。

「今度はおんぶですか…」

「そうだよ、まったくいつ持ち上げてもAは軽いな。もうちょい食べろよ」

穏やかに笑いながら、駐車場につき、翔の車に乗せられる。

「ちょっと寝てろ。」

その声に安心して、私は目を瞑った。