遠いあなたと日常を (ページ13)

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「お前、まだ残ってたの？」

「なんか、ミスを見つけちゃって。」

「それ、お前の資料？」

「いや、後輩くんのなんだけど。もう帰っちゃったし。まあ私がとろいからこんな時間になっちゃってるだけだよ」

「……俺も手伝うよ」

「いいよ。櫻井くん、今日もたくさん仕事任されてたし。仕事ができる人はしっかり休まなきゃダメなんです」

「……俺が手伝いたいから、いいの。」

「………あ、ありがとう。」

「それに、お前、見てるとこっちがハラハラする。」

「…えっ？」

「電車。朝見かける度に、なんか困ってる」

そういえば、まだ電車に乗り慣れてなかったり、おばあさん助けて自分が場所わからなくなったりしたっけ。

その頃を思い出すと、「あれ？結局、翔に助けられてるよね？この話」って思う。

そんなことを思い出していた。

……というか、一回戻ろう。なんだか恥ずかしい。

そう思って後ずさると、昨日の痛みが襲ってきた。

「っ、うわっ」

バタっ

「え、A？」