喫茶アリエス (ページ9)

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20代女子が2人で住んでるせまっくるしいお部屋に、どデカい男がぽつんと座っているこの状況。

どうしたもんか…。

A『あの…さ。どうして来たか教えてくれるかな？』

日本から持ってきた梅の木が描かれたマグカップに入ったホットココアを差し出してテーブルに座ってるﾁｬﾆｮﾙの向かいに座り、怒りを抑えて聞いてみる。

ﾁｬﾆｮﾙ『うおっ！これ日本から持ってきたやつ？京都また行きたいなぁ。俺旅行の70%…いや80は…』

A『話そらさない。』

ﾁｬﾆｮﾙ『え？』

ピシャリと大スターのお話を遮ったものの、ポカンとして一向に話始めないこの男。

はぁ。

A『私、お店のお客さん以上にﾁｬﾆｮﾙの事友達だと思ってるよ。でもね友達以前に、アイドルなんだったら女の子のお家来たら、もしもの事があるかもしれないでしょ？私はﾁｬﾆｮﾙがアイドルだから仲良くしてるんじゃないんだよ？』

相変わらずぽかんとしやがって…。

とりあえず窓もカーテンも閉めて、外を覗いてみる。

よし、誰もいないね。

A『ねぇ、もしかしてこんな事言うのって生真面目面白くない女代表の私ぐらいなの？』

そう言うと吹き出して大笑いするﾁｬﾆｮﾙ。

ずっとぽかんとされても困るからね。ここいらでギャグかましとかないと私らしくないや。ﾌﾌﾌ。

ﾁｬﾆｮﾙ『生真面目代表ってどこのだよ！ｱﾊﾊﾊｯおもしれぇ。』

A『えー。ジャパンジャパン。当たり前じゃん。
とか言ってる場合じゃないんだって！ホントに何しに来たの？』

あまりにも2人して笑いすぎてるから本題にずらさないと。あぶないあぶない。

ﾁｬﾆｮﾙ『うーん。通りかかったから？なんかマスターに聞いたら住所教えてくれたからさー。』

A『はぁ？そんな簡単に家族の住所他人に教える？警戒心なさすぎでしょー。もう、後で怒ってやろ。ﾁｬﾆｮﾙ君があいつチョロかったって言ってましたとも言ってやろ。』

おいっ、やめろよ！って笑ってるﾁｬﾆｮﾙのココアをまた足してやろうとマグカップを持って台所へ。

牛乳を足してると後ろに人気を感じる。は〜、甘えんぼさんだねぇ。なんて思ってたら

グッと腰に巻かれた長い腕。

ん？今…ﾁｬﾆｮﾙに抱きしめられ…てる？

後ろからがっちり掴まれて動けない。

振り返ると私の肩にキレーなﾁｬﾆｮﾙのお顔。

あーどうしよう。

怖い。