喫茶アリエス (ページ6)

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A『いやー！来てくれてよかったよ。どうなるかと…』

ﾁｬﾆｮﾙ『くくく、A。あの裏声出してよ。』

A『はぁ!?いい？私の裏声は、キッズの物なの。希少価値なの。』

ﾁｬﾆｮﾙ『おい、それなら俺ファンからジャイアントベイビーって呼ばれてんだけど？』

A『私、申し訳ないけどアイドルに詳しくないから。BUMP 〇〇 CHICKENとかスピッ〇とか日本のバンドが好きだから。ほら、ここ座って？』

スンヒちゃんの王子様うさぎの正体はこのﾁｬﾆｮﾙだった。耳元であの低いボイスが再生されるとやっぱいいねぇ。

失った青春ここにありだよ。(別に惚れてないけど)

ﾁｬﾆｮﾙと私とスンヒちゃんでしばらく遊んだ後にスンヒちゃんのお父さんが迎えに来てくれた。

安心した子供の表情がなんとも愛おしい。

良かった。ホントに。

ｶﾞﾀﾝｯ

あ、ﾐﾝｿｸさん帰るんだ。

ﾐﾝｿｸさんはﾁｬﾆｮﾙが来るとすぐ居なくなる。

多分ﾐﾝｿｸさんもアイドルなんだろうな。カッコイイし、体鍛えてるし。

でもこのお店でバレてきゃあきゃあ言われたくないから素性を隠しつつー。って感じなのかな。

ありがとうございました。とぺこり。

A『あ、ｷﾞｮﾝｽー。これ。店番もしばらくして貰っちゃって、ごめんね？』

さっきコンビニで買っといた練乳をそのまま手渡す。

やっぱ嬉しいよね。よしよし。

マスターが『俺のはないのかよー』なんて言ってるから私用に買っといたチョコを何個か『これ、マスターにだよ。』と言ってあげた。優しいなぁ私。

ドアノブに手をかけたままﾐﾝｿｸさんがこっちをじっとみてる。

えっとーーー。

A『いりますか？このチョコ、美味しいですよね！』

帽子にマスクをしたﾐﾝｿｸさんにチョコを渡した。

マスターにあげたチョコ好きなんだろうな！私もだから嬉しいな。

すると大事そうにバッグの中の巾着を開けてイヤホンをズボンのポケットに入れると代わりにチョコを入れてくれた。

そんなに好きなんだ…。意外だなぁ。

ﾁｬﾆｮﾙ『Aーーーーー。なに油売ってんだ。注文したいんですけどーーーー。』

A『ちょっと、声が大きいでしょ』

180以上ある身長の長い腕を引きちぎれそうなほど振り回して私を呼んでるのがおかしくって笑いながらﾁｬﾆｮﾙの元に向かう。

振り返るとﾐﾝｿｸさんはいなかった。