せめて今日だけは消えないで【ARS】 (ページ47)

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雅side

にのがカメラの前でこんなに泣くのを見るのは初めてだった。

にののことなんか何も知らない記者がにのを傷つけていく。

こんなの許せないよ。

俺が助けなきゃ

「あなたは嵐にいらない存在なんですよ」

その言葉でなにかがブチッと切れる音がした。

「違います！」と飛び出していけば他にも3つの声が重なり合った。

4人とも同時に飛び出していたんだ。

突然の出来事に会場は静まり返った。

智「違います、二宮は嵐に必要な存在です。

この5人の誰かが欠けてしまってはそれはもう嵐じゃないんです。

僕たちは5人で嵐なんです」

翔「我々は今までどんな困難も5人で乗り越えてきました。

迷惑だなんてとんでもない。

二宮を支え、彼が戻ってくるまで嵐という場所を守ることが我々が今できることだと思っています。

今回も5人で力を合わせて乗り越えます」

潤「それに僕たちのファンの方々だってこんなことで迷惑がったりなんてしません。

嵐のファンって優しい方ばっかりなんですよ。

俺たちが走っている時は一緒に走って、ゆっくり歩きたい時は一緒に歩いてくれる、そんな皆さんなんです」

3人は俺が言いたいことを全部言ってくれた。

口調はとても冷静だったけど仕草や表情からみんな怒ってるんだってことが分かった。

例の記者も気迫に圧倒されてもう何も言い返せないみたいだ。

俺は口下手だから記者への対応はみんなに任せて、俺は俺のできることをしよう。

「にの、もう大丈夫だからね」とコソッと耳打ちして優しく抱きしめる。

大量のカメラからにのを守るようにして。

会見が終わるまでの間、俺の腕の中でにのは小さく震えながらこれを殺して泣いていた。