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和side
「芸能活動を休止するということは、嵐としての活動もお休みされるんですよね。嵐は4人での活動になるということでしょうか」
いくつか質問に答えた後、ついに嵐についての質問が来た。
和「はい、私が休止している間嵐は4人での活動となります」
「脱退はしないんですか？」
不意に放たれたその質問はそれまでの空気を切り裂いた。
和「…はい、脱退はしません」
少し驚いたけどこれまでと同じように笑顔で答える。
「メンバーの皆さんはどう思われているんでしょうか」
え…？
またさっきと同じ記者だ。
司「質問は一人一回までで、」
「正直迷惑だと思われているんじゃないですか？」
和「そ、れは…迷惑、なん、て」
迷惑だなんて思ってない、そんな人たちじゃない、心の中でははっきりそう返しているけど上手く声にできない。
「メンバーが病気で、しかも治らないかもしれないなんてとんだ迷惑でしかないでしょうねぇ」
ダメだ、なんか言い返さないと……
和「っ…」
悔しいのになんて言い返せばいいのかわからない。
記者の嫌味ったらしい口調だけが頭の中をぐるぐるする。
「あれ、何も言えませんか？じゃあ質問を変えましょう。
こんなことになってしまってファンの方にはなにか謝ることはありますか？」
和「っ、ファン方には、寂しい思いを、させてしまうことになるので、本当に、申し訳、ないと思って、」
「あの、本当にそう思ってます？」
和「え、？」
「自分勝手なんじゃないですか？勝手に休止して、治ったら戻ってくるなんて。」
大丈夫、大丈夫…
この人は俺を惑わそうとしてるだけだ。
「他のメンバーのファンの方も迷惑がるでしょうねえ、今ノリに乗ってるグループなのにこんなことになってしまって」
違う…
「嵐の仕事も減ってしまうでしょうね、あなたのせいで」
違う…違う…違う…
「いっそのこと脱退したらいかがですか？」
ぽろっ
泣きたくないのに。
泣いちゃダメなのに。
泣く資格なんか無いのに。
「あなたは嵐にいらない存在なんですよ」
もう無理だよ…
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作者名：Xion_シオン | 作成日時：2022年2月20日 9時
