せめて今日だけは消えないで【ARS】 (ページ40)

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智side

それから数日間、にのは副作用に苦しまされた。

毎日誰かしら病院にいってにのの様子を見に行っていたけどあまりいい報告は聞けなかった。

抗がん剤治療もとりあえずあと2日となった日、久しぶりに4人でにののところへ来ることができた。

病室のドアを開けるとにのはベッドから起き上がっていた。

ずっと寝ている日もあったし今日はまだましな方かな。

でも、数日間しか経ってないのにかなり痩せた気がするし、ただでさえ白かったにのの肌はさらに白くなってしまった。

智「今日�和猟瓦匹Α��

和「んー、まあまあかな」

雅「ゼリー持ってきたんだけど、食べれそう？」

和「…食べるよ、ありがと」

食べれるか不安なのかちょっとだけ悩んだ様子を見せたけどどうやら今日は食べてくれるみたいだ。

スプーンでゼリーを少しすくってぱくっと小さな口を開けて食べると「おいしい…」とにのは呟いた。

潤「よかった」

翔「じゃあ、俺たちもいただきますか」

雅「いただきまーす！」

他のみんなが食べ終わってもちょこちょこ食べていたにのだったけど、半分ほど食べたところでだんだん手の動きが重たくなってきた。

智「にの、食べれなかったら残してもいいよ」

和「ごめん、やっぱりあんまり食欲なくて」

潤「こんだけ食べれたなら十分だよ」

翔「5人でなんか食べるのも久しぶりでなんか楽しかったね」

雅「5人揃うのも何日かぶりだから嬉しいね」

和「ふふ、嵐さんは忙しいからね」

ふざけてそう言うにのはとても楽しそうで見ているこっちも嬉しくなる。

辛いことも多い治療中の穏やかな時間だった。