せめて今日だけは消えないで【ARS】 (ページ29)

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＊29＊病名ページ29

和side

有明先生に連れられて入ったのは誰もいない部屋。

有「どうぞ、そちらに座ってください」

和「はい…」

有「今日行った検査の結果、

二宮さんは、急性骨髄性白血病であることがわかりました。」

はっと息を呑む音が隣から聞こえた。

和「……そう…ですか」

病名を言い渡された俺は意外と冷静だった。

何かの病気だと予想してたからかもしれないし、まだ自分が病気だってことをよく分かってないからかもしれない。

有「この病気は早期に治療をすることで治すことができる病気です。

今二宮さんの骨髄は白血病細胞が増えてしまい正常な血液細胞が減ってしまっている状態です。

まず寛解導入療法といって抗がん剤を使って白血病細胞を減らす治療を行います。」

和「あの、入院ってことですか…？」

有「はい、完全に白血病細胞を死滅させるために長期の入院が必要になります」

つまり…仕事続けれないってことか…

和「あの…もし治療しなかったらどうなりますか」

智「にのっ…！」

有「無治療のままだと2,3ヶ月で亡くなるとお考え下さい…」

智「……っ！」

有「先ほど申しましたとおり、この病気は治療をすれば治る可能性が高い病気です。

私といたしましては、治療をおすすめします。

いくつか資料もお渡ししておきますので、今後について考えてみてください」

先生は持ってきた資料をいくつかテーブルに並べ「またうかがいますね」といって部屋を出ていった。

俺はもう嵐にいれないのかな…