【土方十四郎】好きと言わないで (ページ5)

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０４/悪魔は敵か、それともページ5

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その次の日、また仁科の家に訪問するものの、
警戒されてしまったのか何分待っても応答はなかった。

上手く物事が進展しない歯がゆさから、苛々が募る。

そんな俺を見つけた総悟は、おもちゃでも見つけた様な足取りで歩み寄ってきた。

「土方さん、アンタの考えてること、おもしろいくらいわかりまさァ」

「…そうかよ」

「あの女のこと、何かわかったんで？」

「ああ、わかったさ。でも知らない方が良かったと思ってる、最悪の気分だ」

そう言い、総悟の隣をすり抜けようと思ったら、バカ強い力で腕を掴まれた。

「…俺にも教えてくださいよ」

＊

「…そりゃあ酷い話ですねィ、姉上とはまるっきり別過ぎてわけわかんねーや」

俺が適当に話でも作って撒こうと思っていたのに、それを見越した総悟が山崎を捕まえ、
脅された山崎はビクビクしながら全て話してしまった。

「誰にも言わないで下さい沖田さん…ナイーブな問題ですから」

「わかってやす、そんな無粋な事するような男に見えるんで？」

「無礼の塊みてーなもんだろ総悟なんて」

「………あァ？土方頼むから死んでくれよ」

「ふっざけんなテメーが死ね！！！」

俺が叫べば、総悟はヘラヘラした表情を見せる。
その憎たらしい顔に一発張り手でもしてやろうかと掌を放てば、

「こんなところでまで喧嘩はやめてください！」

と割って入った山崎の頬に当たる。

「……い、いたいですよ土方さん……」

泣き出しそうな弱い声で頬を抑える山崎を見下す、

この、

何をやらかすかわかったもんじゃない悪魔に全ての情報がいってしまったと思うと･･･

＊

「今日一年の教室覗いたんですけど、仁科って女いましたぜ」

あ、そうだった、と前置きをして、たっぷり間を取ってから底意地の悪い笑みで総悟は言った。