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02/不器用なお人好し ページ3






「仁科A、クラスは1-B

 最近は出席が目立ち、試験の結果も芳しくないようです」


「仁科の親は早くに亡くなったと聞いたが」


「そう…らしいですね」




山崎が仁科の情報を書きだした紙を俺に寄越してきたのは、それから一週間後の事だった。

始めは、なんで俺が…と渋っていた山崎だが、風紀委員という学校内で絶対的な特権をちらつかせれば、こんな風にほぼ完璧な情報をリストアップし提示してくる。





…そうか、仁科は親がいないのか

そう考えると胸がチクリと痛んだ、よくわかる。独りの寂しさほどつらいものはない




「……仁科に血縁関係のあるものはいないのか?」




俺からの問いに少しだけ動揺した様子の山崎は、「一人だけ、いるみたいです」と答えた。
そして続ける。




「ここの学校の卒業生みたいですね、仁科麻貴…名簿にはそうありました」

「姉か?」

「いや、どうやら男。…実の、兄です」




俺をチラリと見た山崎の声は、耳をすましてやっと聞き取れるほどの声の大きさだった。

「そうか」と短い相槌をしてから立ち上がる。





「どうしたんですか?」

「なんでもねェ、急用を思い出した。 先帰ってろ」





十四郎は山崎が印刷した仁科の住所が書かれた紙を丸め、夕日で赤く染まる廊下を駆けて行った。



そんな背中を、

「…お人好しだなぁ…」

一言つぶやき、山崎は見送った。

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月詠 - めっちゃいいです十四郎に抱きしめられたァァァァァァァァ有難うございます作者さんこれで明日も野球部のマネ頑張れます (2014年12月28日 2時) (レス) id: 42747b28bf (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:はちか | 作成日時:2014年8月17日 1時

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