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……
ぼやけた視界の中で、彼女はいつも必死に何かを探していた。見つけてほしいと頼まれてしまったから、彼女が私を頼ってくれたから。
そんな中途半端な決意で、私は彼女を殺した。
肉体と魂の紐付けがなされたばかりの身体は、私の意思と関係なく無意識のうちにありもしない何かに手を伸ばしている。
私は審神者だった、と彼女は言った。
私と名前が同じだということに驚いたのか、「それは運命なのかもね」なんて笑って、大した抵抗もなく自らの身体を差し出した彼女。私よりも優秀で、強くて、沢山の人に勇気だとか希望を与えていた彼女。
……でも、彼女は既に死んでいる。
長年続いた時間遡行軍との戦いが終わり、審神者と呼ばれた人々は永い眠りについた。彼らと共に戦った刀剣男士達もまた、主を守るかのようにその傍らで眠ったのだ。
＿＿そう、私は医師、或いは政府から説明を受けていた。
……
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作者名：木浪 | 作成日時：2020年4月21日 15時
