「ネクタイを結んでください」

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そういえばこの人、腕も骨折してるし更に熱だなんて…また…私？





「ちゃんと体調管理もして腕も大切にしないと、」




『うーん』






なんか納得して無さそうな返事






「何か不満でも？」




『不満っていうか、なんというか』




「変なの、はい保健室ついたからここからは先生にバトンダッチするからね」




『キムAさんこれ見えてた？』







ジョングク君が指をさす方を見るとホワイトボードがドアにかけてあって、



"本日不在。用がある生徒は二階の職員室へ"



って、今日に限って…







「はぁ、仕方ないから職員室に先生を呼びに行ってくるね。ジョングク君はここで待ってて」





『いい、呼ばなくて』





「え？熱があるんだから先生呼ばないと、ただの怪我じゃあるまいし」





『A保健委員だったでしょ？』





こうなると思って、わざと言わなかったのに…
てかなんでどうでもいいこと思い出すんだか、、





「なんでそれ知ってるの…」





『さぁね』









.









そんなことで今私の右手には…体温計。





「なんで私が、、、」




『右手は骨折、左手には氷。見てわかる通り、ほら？』




「はいはい、氷なんかおけばいいのに…」







結局この男に何を言っても返されてしまうから…

意味がないのは承知済み。



だから諦めて大人しく従った、私って…優しい？甘い？








「えっと大変言いにくいんですが、シャツを少し下捲ってもらって」




『それってどういう意味？』




「体温をちゃんと計れるようにしてもらわないとやらないから」




『つまりシャツを脱げと？』




「いやそういう意味じゃ」




『へぇ、大胆』







違うって言ってるのに勝手に解釈され、もう放置していいですか？


こんな時に限って先生はいないし、通りかかりもしないし、ほんと運がない…



あんな変なこと言っときながら大人しく片側のシャツだけを捲った


いや別に期待してたわけじゃないけど…








「ちゃんと分かってんなら最初っからやってよね」




『だって、面白いから』




「私は君のオモチャじゃない」




『知ってる。なんでも担当でしょ？』




「大体誰のせいでこうなってると思ってるの？」




『つべこべ言ってないで早く熱計ってくださーい』






あの治療放置の準備は万端なんですけど？いいですか？

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