描いた世界 (ページ16)

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※BADENDルートイライページ16

Aside
A「うん。有難く貰うね」
レモンの柑橘系の匂いと、琥珀色の液体を少しずつ口元に傾ける

私が飲むのをイライは笑顔で嬉しそうに見ている
それをチラリと見たあとつい、一気飲みしてしまった

やっぱりせっかく入れてくれたのだから、全て飲まないと申し訳がない気がして

占「飲み干してくれたんだね」
A「うん。つい、癖でね」

飲むと体があったかくなったのか
次第にぼんやりとしてきた

ゆっくりくる睡魔に負けて、体を横にし
私は眠った

占「おやすみ。A」

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

写「ねぇ、イライ君」

廊下でふと呼び止められた
そういえばあの人も一応狙っていた人だったか

占「なんですか？ジョゼフさん」

写「最近さ、Aちゃんの姿を見掛けないんだけど何か知らないかい？」
占「私も探していますけど、どこ行ったのか全く連絡つかないんです…」

写「ふぅん？そっかー·····
話変わるんだけど、君ってさ、確か婚約者を待っていると聞いたんだけども」

嗚呼、その話か
占「はい。そうですね」

写「その人はまだ会えないのかな？」

占「いいえ。もう、会えましたので」

私は目の前の白髪のジョゼフにそう告げた

写「なら良かったね。
じゃあさ今、君がここに居る理由はなんだい？婚約者とは会えたんだろう？」

ジョゼフさんの確信をつく質問に私は答える
占「彼女を守る為です。」

それ以外ありませんので。と言い
失礼しますと踵をかえして会話を切るように私は自室に戻る

写「·····やはり、怪しいな。」

写真家の呟きは誰にも届かず、静けさに消えていった

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

これも、彼女の為だ。悪い人から遠ざける為
彼女の未来は見えている

だからこそ、ここで引き止めた
私の目の届く範囲で。守るために

ずっと。一緒だよ
君の未来は僕が守るから

眠る彼女の薬指に口付けをし、両手で包むように手を握った

まるでおとぎ話にある、あの姫のような

とても長くて幸せな夢を見ているのだろうか

占「愛しているよ。」

思えば、彼女と出会わなければこんな運命には出会わなかった

私は神に感謝している
彼女に会わせてくれてありがとう。と

彼女の白い手の薬指には元々は無かった、光り輝く指輪が付けられていた

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