美しい人 ページ9
引き続き安室side
コナンくんに手を引かれてカウンターに座った彼女を、注文を聞くふりをして観察する。
うん。まじかで見るとさらに綺麗な上に眩しい。
「お姉さん何頼む?」
「んー、コナンくんのオススメは?」
「ハムサンドとアイスコーヒーかな」
「じゃあそれにしようかしら」
ああ、それにしても声も綺麗だな。ずっと聞いていられる。
「あの、私の顔になにかついてます?」
「えっいや、えっと、すみません」
まずい。見すぎていたか。
「安室さんでも見とれることってあるんだね」
このクソガキ、と思わず思ったのは許して欲しい。というか、なんてことを言うんだ君は。
「ははっ、コナンくんはお子様ランチでいいかな?」
「いえ、ごめんなさい。僕も安室さんのハムサンドとアイスコーヒーがいいなぁ」
あはは、と誤魔化すコナンくんに荒れていた心を平常に戻す。
と同時に、たかが女性ひとりに舞い上がった自分を叱咤する。それに、どうせろくな女じゃない。美人は性格が悪いというのが常だ。と脳裏に金髪の女が浮かんだ。
…うん。タチの悪い女だ。
「では、少々お待ちください」
注文をとってキッチンに戻る、と言ってもカウンターにいるので嫌でも目に入るし声も聞こえるのだが…
「随分店員さんと仲がいいわね…?そんなに通ってるの?」
「ううん、まあ、通ってるというか……安室さんはおじさんの弟子だから必然的に会うっていうかなんというか…… 」
「おじさん?」
「僕この上にある探偵事務所に居候してるんだ」
「探偵…居候…」
考え込むように黙ってしまった彼女。
確かに情報量が多いしコナンくん自身も少し説明しづらい立場だ。
「弟子ってことは安室さん…も探偵なの?」
「うん。私立探偵しながらここでバイトしてるからよく会うんだ」
「……そう探偵なの」
そう言って彼女はまた考え込むと何かを言った
「………((ボソッ…」
「?」
小声で言った彼女の言葉は誰にも聞こえなかった
◇
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作者名:朱狐 | 作成日時:2018年4月27日 14時