言っちゃいましたね ページ50
降谷side
｢ふふっ｣
｢何がおかしい｣
いとも容易く俺に拘束された彼女
優位なはずなのに、彼女に全てを支配されているような気がしてならない
｢盗聴器の類いがなくても、ここで乱暴をすればさすがにバレるわよ。わかってるでしょ？降谷さん？｣
｢…うるさい。気安く僕の名前を呼ぶな｣
｢あら、気安くなんてとんでもない。でもまあ、今は他の話をしましょうか｣
この状況で何故そんなにも愉しそうに笑える
｢ある人に貴方のことを調べてほしいと言われたの。だからちょっと、つてを辿って調べてもらったわ。そして結果は白。私の仕事は終わったわ｣
｢依頼者は誰だ｣
｢口封じ？する必要ないわ。だって貴方の秘密は私しか知らないもの｣
は…？依頼者に話していないのか？
でも、仕事は終わったとーーー
｢貴方のことを“白”だとは伝えたけど公安だとは言わなかったわ｣
｢それは、何故…｣
わからない。彼女の行動は矛盾だらけだ。
｢ちょっとした意趣返し。私を信じなかった報いよ｣
｢ｯなんだ、それは、｣
どうして、そんな悲しそうな顔をする…
｢貴方のことを言わなかった。だから私も貴方に依頼者のことは言わないわ。50:50でしょ？｣
無理に笑おうとしないでくれ、
なんで俺はこんなにも苦しいんだ…
｢もう日本も出るから安心して。貴方と会うのもこれが最後よ｣
いやだ。最後なんて、
｢嫌だ。俺の協力者として日本にいてくれ。｣
とりあえず君を悲しませる依頼者は殴っていいか？
◇
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作者名：朱狐 | 作成日時：2018年4月27日 14時
