暴かれた正体 ページ49
◇
ゆらゆらと揺れる中、かすかに聞こえる声
「(シャロンと、バーボンね…)」
無事に拾われたようだ、と少し安堵する。
目が覚めたらシャロンに怒られるかもしれない。彼女は何故か私に過保護だったから、
私の周りには過保護な人がどうにも多くて困る……優しくされるのはいつまでたっても慣れないものだ
「ヴァーミリオン、私はもう行くわ。バーボン、もしこの子に何かしたら脳天ぶち抜くわよ」
「重々承知してますよ」
ふふっ、愛されていると自惚れてしまうわシャロン
彼女の気配が消えるとともに近づく気配。
だけど不思議と危険性は感じない、むしろ_
「まったくベルモットと知り合いなんてどういう繋がりですか…」
「それを、貴方が言うの?」
呆れを含んだ物言いに、つい声が出てしまった
「ッいつから起きて…!」
「ついさっき」
ようやく目を開け、周りを見渡す。
なるほど、シャロンのセーフハウスのようね。なら、盗聴器の類いはないはず。
「貴方と話す機会が出来て良かったわ。怪我の功名ってやつかしら?」
正確には怪我じゃなくて病だけど
「何が目的ですか」
「…目的は貴方を調べること。まぁそれも終わったから私はもう日本を出るわ」
「終わった、だと?」
「ええ、全て調べ終わったわ。日本の公安警察_否警察庁警備局警備企画課の降谷零さん?」
「ッッ!」
彼の、驚愕に満ちた瞳を最後に私の視界は反転した
◇
63人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:朱狐 | 作成日時:2018年4月27日 14時