途切れた意識 ページ47
◇
「ヒューゴホッゴホ…ガハッ」
押し殺していた咳が止まらない。
指からもれる赤色に目眩がする。
「私の役目は終わった…」
たぶん、あの会話は赤井も聞いていた。
直接報告する理由もなくなってどこかほっとしていた。
あの子達の前だからあの程度に抑えられた。もし、赤井の前だったら何を口走るか分からなかった。
「…ゴホッ...ヴ....」
いよいよ止まらない咳にどうしようかと、回らない頭で考える
病院は駄目、赤井ももう駄目、なら…
ppppr
〈 あら、貴方から電話なんて珍しいわね 〉
ワンコールでかかり、少し安堵する
〈 シャロン、今1人? 〉
〈 いえ、バーボンと。仕事が終わったところよ 〉
バーボンか、丁度いいわ。
日本を出る前に彼とも話さないと。
〈 ね、拾ってくれない?私今〇〇近くの路地なんだけど…〉
〈 それは、でも貴方… 〉
バーボンがいることに渋っているのか、任務終わりだから警戒しているのか、まぁ両方か
だけどあまり時間が無いの。
〈 バーボンのことなら心配ないわ。知り合いよ 〉
〈 バーボンと?一体何処で… 〉
シャロンがまだ何か言っている
耳が音を拾わない。
視界がぶれる。
「...ヴ...ゲホッゴホッゴホッ...」
ゴポッと喉の奥で嫌な音がした
「ゴホッゴホッ…カハッ…ウッゴホッゴホッ」
今までより確実に量の多い血が手から溢れる
〈 ヴァーミリオン!どうしたの!?ユエ!! 〉
薄れる意識のなか嫌にはっきり聞こえる自分の名前
それを最後に私の意識は途切れたーーー
◇
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作者名:朱狐 | 作成日時:2018年4月27日 14時