疑心と信頼 ページ46
◇
無駄に、怖がらせちゃったわね…
｢まぁ全てを話せ、なんてもう全部知ってるけどね｣
なら何を、という顔をする二人
そうね、正しくは『話してほしい』ではなく『話してほしかった』のよ
｢これでも私、怒ってるのよ？｣
｢なんで…？｣
｢そればかりね、少しは自分で考えて欲しいわ｣
私の怒気にさらに困惑する二人
｢ああ、別に哀ちゃんには怒ってないわ。貴方も私と同じで何も聞かされてないのでしょう？｣
｢えっ…｣
｢守るためなのか、何なのか知らないけど『知らない』ってことが一番の恐怖になるとも知らないで身勝手だわ｣
哀ちゃんを守るために言わなかったなら、
私に言わなかったのは何故？
｢私に安室透を探れと言ったわね。だけど彼は安室透をバーボンだと知っていた、その上で彼の正体を暴けと。そしてその中でシェリーを守れと。私はシェリーが組織の幹部で裏切ったことしか知らないのに、何故彼女を守らなければならないのか、｣
そう、矛盾点はたくさんあった…
だけどそれらを無視して手伝ったのは曲がりなりにも私を助けてくれた赤井への恩返しで、信用してくれているから手伝って欲しいと言われたと思ったから
だけど、違ったのよね？
｢私に知らなせなかったのは信用してないからでしょう。まぁ当然よね。私はFBIでなければその組織と関わりがあるわけでもない。私は彼個人に雇われた身｣
そんな私には情報は与えられない、そう判断したんでしょう？
だけど私の情報収集能力がほしかった……私はていのいい道具だったのかしら？
｢…ごめんなさい。話しすぎたわね。でもこれで最後だから｣
｢さい、ご？｣
｢ええ、役目を終えたから日本を出るわ。｣
もう調査はすべて終えた。
彼は、安室透は＿＿＿
｢安心して安室透は白よ｣
この国を守る、ね
◇
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作者名：朱狐 | 作成日時：2018年4月27日 14時
