運悪く ページ43
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赤井と見張りをするようになってから数日たった頃、私は少し限界に達しそうであった。
主に体調が…。
「やっぱりまだ万全とはいかないのね…」
昔ほど疲れやすいわけでもなく、倒れやすいわけでもないが、一度体調を崩すと長引き重症化してしまう。
強いて言うなら隠すのは以前より上手くなった。
(もちろん褒められることではないのは分かっている)
「貧血と、吐き気だけならまだ誤魔化せる…」
問題は倒れないか、と
「吐血しないかよね…」
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「ゴホッゴホッ…カハッ」
だいぶ問題なんだろうが、吐血は何度も経験している。言わば慣れた症状だった。
だけど、考えてもみてほしい。
最近仲良くなった人が血を吐いた、そんな状況に遭遇したら誰でも救急車を呼ぶだろう。
「(そう、今いる彼のように…)」
「救急車っ!…より博士の方が早いか!?」
私はなんとも運悪くコナンくんの前で吐血した。しかも盛大に。
コナンくんの判断は正しい、正しいが言わねばならない。私は病院へはいけないと。
「ゴホッ…コナン、くん…ヒュー病院はダメよ…」
「なんで!?ユエさん自分の状況分かってる?!」
「分かってるわ。だけどダメなの。“絶対”」
たぶん私より苦しそうな顔をするコナンくん。
…ごめんね。血に汚れた手じゃ、貴方を慰めてあげれないの
「分かった、呼ばない。だけどその理由も聞かせてもらうからね、“絶対”」
「…ええ、いつかね」
いつか、貴方が大きくなってからね_
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作者名:朱狐 | 作成日時:2018年4月27日 14時