もどかしい ページ41
赤井side
｢なるほど、ボウヤも気に入られたというわけか｣
｢あれってそういうことなの？｣
｢彼女は良くも悪くもハッキリしているからな。ああ見えて気に入らない人間には１ミリも優しさはかけないぞ｣
｢…そう、なんだ｣
意外…という顔をするボウヤに俺もだと返す。
一応、それなりに人当たりはいいがそれすらも相手を選んでいる傾向にある彼女はよほど人が嫌いらしい
｢赤井さんってアメリカでユエさんと会ったんだよね？その時はどんな感じだったの？｣
｢あまり今と変わらないさ。だが、強いて言うなら今の方が感情も豊かだし我儘を言ってくれていると思うが…｣
それも以前より、というだけで俺としてはもう少し我儘でもいいぐらいだ
｢他のFBIの人だと誰がユエさんを知ってる？｣
｢ジェイムズとジョディなら。キャメルには会わせたことがないが話ぐらいは知っているはずだ。あと、ジョディとは今も連絡を取っているようだ｣
｢ふーん…｣
｢納得してない顔だな｣
｢うん。分からないことだらけだし、ユエさんってどこまで本当なのかわからない｣
会ったばかりで当然だ。
俺だって未だに彼女のことはあまりつかめてない。名前も出身も何もかも＿どこか雲をつかむようで真実にたどり着くことが出来ない。
｢ユエさん嘘は言ってないと思うけど、本当のことも言ってない気がするんだ｣
それがもどかしい。と口にするボウヤ
ボウヤでこれなら今頃安室くんはどこまで考えていることだろうか
｢(彼女を渡すつもりはないぞ、バーボン)｣
◇
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作者名：朱狐 | 作成日時：2018年4月27日 14時
