ナポリタン ページ36
安室side
バックヤードに戻って仕込みをしていると表が少し騒がしくなる
｢(ユエさんが、来たのか…)｣
自分で思わず呼んでみたら、と提案したが今会ってボロを出さないか心配だった
彼女には聞きたいことがある。バーボンについても沖矢昴のことも…他にもたくさん。
だけど彼女から聞き出す前に自分が何もかもさらけ出してしまいそうで怖かった。
どれもこれも初めてで、俺はどうかしてしまったのか。
だが、いつまでもバックヤードにいるわけにもいかず表に出た。
｢もうお父さんったらやめてよね。ユエさん困ってるでしょ｣
もう既に毛利先生を諫め終わったの呆れた顔のコナンくんと蘭さんがいた
｢ふふっ、いえ。少し新鮮で面白かったです｣
｢え、ええ？そうですか？｣
｢はい。いいお父様ですね｣
柔らかく笑う彼女はこれまで見た中で一番綺麗で息が詰まりそうだった
彼女をこちら側の事情に巻き込むのはやめたくなるほどに…
｢あ、安室さん！ユエさん来ましたよ｣
｢はい、すぐ行きます｣
僕に気づいた蘭さんに返事を返し気持ちを切り替える。
｢こんにちは、ユエさん｣
｢こんにちは、安室さん｣
視線が数秒絡み合うが、お互い何も言わない。
｢ご注文はありますか？｣
｢アイスコーヒーと、えっと、どうしようかな…｣
夕食だからサンドイッチは微妙だな、なんてこぼすユエさん
｢あ、だったらナポリタンとかどうですか？美味しいですよ｣
｢じゃあ、それでお願いします｣
｢かしこまりました。アイスコーヒーとナポリタンですね。毛利先生達は他にご注文は？｣
｢俺はいい｣
｢僕も！｣
｢私は紅茶だけお願いします｣
｢蘭さんは紅茶ですね。わかりました。少々お待ちください｣
注文を取って、キッチンに戻る。今お客は彼等だけたから十分声は聞こえるから問題ない。
｢それで、えぇっとどこまででしたっけ…｣
｢名前と出身は聞いたから次は歳でしょ？蘭姉ちゃん｣
｢そうね！ユエさんってお幾つなんですか？｣
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作者名：朱狐 | 作成日時：2018年4月27日 14時
