また巻き込んだ ページ34
◇
コナンside
シェリーは死んだということになったから、もうバーボンは居なくなる…と思っていたがどうやら考えが甘かったみたいだ
｢(…いつまで居る気だ？)｣
おじさん達の前でニコニコ笑って接客するバーボン＿否安室さんの横顔をながめる
まだここにいて欲しい情報でもあるのか？
｢ん？僕の顔に何かついてるかな？｣
｢うーうん。何にもないよ安室さん｣
何かあるはずだ。この人が居座る理由が。
ここに居なければ探れない情報が。
｢…そういえば安室さん｣
｢何かな？｣
あった。一つだけ、可能性が。
｢最近ユエさんに会った？｣
｢ｯ…いや会ってないよ。彼女がどうかしたかな？｣
｢ちょっと聞いてみただけ！｣
以前と同じ、明らかな動揺。
｢(本当にユエさんが好きなのかな？)｣
でももし、バーボンとして彼女に近づこうとしてるから赤井さんに伝えないと
｢…ンくん……コナンくん！｣
｢えぇっ！あっ、何？｣
｢もーさっきから呼んでるのに考え事？｣
｢ご、ごめんなさ〜い｣
まずいまずい。
蘭とおっちゃんがいたの忘れてた。
｢で、どうしたの？｣
｢さっき安室さんに言ってた“ユエさん”って誰かなって…新しいお友達？｣
｢ああ、えっと僕のっていうか昴さんの知り合いで前ポアロでご馳走になったんだ｣
うん。大丈夫だ。嘘は言ってねぇ。
｢昴さんの知り合い？ってことは大学生？｣
｢あ、いやえっとぉ…｣
あれ、そういえば俺あの人の年齢も知らない…
｢気になるようでしたら呼んでみたらどうでしょう？もうすぐ日も暮れますし｣
｢日…？｣
｢ね、コナンくん？｣
全然目が笑ってないというより、有無を言わせない声色に渋々頷く。
｢……うん。そうだね｣
ごめん、ユエさん。
何かまた巻き込んじゃった気がする。
◇
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作者名：朱狐 | 作成日時：2018年4月27日 14時
