不自然だった ページ28
◇
「安室さんですよね?何故顔を見せてくれないんですか?」
一瞬見えた顔に思わずそう声をかけるが、返答はない
人違いということはないと思うのだけれど…
それこそ人違いならそう一言言えば終わることだ。
つまり安室さん本人の事情、もしくは安室さんではないが私と会うと困る人間だと予測する
だけど、本当に安室さんだった場合の方が何故顔を見せれないか分からない。
そもそもまず、彼は何故ここにいる?
列車内で殺人事件を起きたというのに探偵である彼がいるのは不自然だ。もし他に適任者がいたとしても解決していない事件を放っておく人には思えない。
「(となると、他に考えられる理由は…)」
誰かと一緒に来ていてその相手と鉢合わせさせたくないとか?ダメだわ、それも十分不自然ね。
今は一人だし会わせたくない人がいるなら、ここで時間を割く必要はないし、そっちの方がリスクがある。
では、連れがいる訳でもなく、探偵業を放棄してまで彼がここに居る理由と私と鉢合わせしたくない理由は…?
「もしかして…」
一つだけ、浮かんだ考えに一瞬否定する。
違うといいなと思った、
だけど自分の感は外れた試しはない
「…貴方がバーボン?」
彼の_扉越しにでもわかるほどの動揺に私は目を瞑った。
◇
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作者名:朱狐 | 作成日時:2018年4月27日 14時