殺人事件 ページ26
◇
列車に乗り込んでしばらくすると、パタパタと足音が活発になる。
もうミステリーゲームが始まったのだろうか?
「(随分早いのね…)」
私の存在は現時点で赤井とコナンくんしか知らない。それ故か、特別動くこともなければ誰かと接触する必要もない。
人に会う必要がないのは嬉しいが、せっかく列車に乗っているというのに出歩けないのは少々残念である。
「まぁ、これも赤井の配慮でしょうけど…」
意外と過保護な彼のことだ、もしかしたら今回私をここに呼んだことは気に病んでいるのかもしれない
たぶん本当に緊急時以外私を使うことはないだろう。
と、そんなことを考えていると
ジジッ
〈殺人事件が起きた〉
〈え?殺人…?作戦に支障は?〉
〈それは多分大丈夫だ。だが、到着したら警察がいるだろうからユエは…〉
ああ、そういうこと。
〈大丈夫。上手く躱すわ〉
〈すまない〉
どうして貴方が謝るのよ
〈それより、事件は大丈夫なの?解決しそう?〉
〈…ああ、ボウヤがいるから大丈夫だろう〉
随分信頼してるみたいね。
あの赤井にここまで信頼されるなんて、本当にコナンくんって何者かしら?
〈また何かあれば連絡する〉
〈…了解〉
インカムを切って少し長いため息を吐く。
「警察には会わないようにしないと、」
◇
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作者名:朱狐 | 作成日時:2018年4月27日 14時