しろくてあかいひと (ページ22)

今日:4 hit、昨日:0 hit、合計:43,127 hit

一筋の狂気ページ22

ベルモットside

｢人よ…。探り屋で私と同じく秘密主義。｣

｢ふぅん。けどシャロンが気にするほど嫌な人なのでしょう？｣

｢彼は私を…｣

思わず口篭る私に代わりに彼女は言葉続ける。

｢…もしかして脅されてるの？｣

貴方が＿＿＿？

言外に、聞こえる言葉に軽くうなずく。

｢ええ、彼が死ねば私の情報は組織内にリークされるようになってるらしいわ｣

本当に鬱陶しい男。だけど底知れない。

約束通りにバーボンがエンジェル達に危害を加えないなんて分からないのに

もどかしいばかりだわ。

｢(そういえば…黙ったままね)ヴァーミリオン？どうか……ｯ！｣

｢……とっても不愉快ね｣

＿＿＿それは見たこともない顔だった

そして、聞いたこともない声だった＿＿＿

｢ユエ…？｣

たまらず彼女を〝名前〟で呼ぶ

｢ーーーん？なぁにシャロン？｣

目線を合わせた彼女はいつも通り、笑った。

｢いえ、なんでもないわ…｣

｢そう？なら夜を楽しみましょ。まだまだこれからだから、ね｣

＃＃＃＃＃＃＃

一瞬見えた彼女の顔は私の知らない彼女だった。

怒りが渦巻く瞳に一筋の狂気…

｢私のためだとしても、もう見たくないわ｣

貴方も私の宝物。

光り輝く、私と似て非なる存在の彼女

私の大事なヴァーミリオン＿＿＿

◇