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行き止まりに辿り着き、今俺は来た道を戻っていた。
いつ出口は見つかるんだろう__いつの間にかこんな事が常に頭をよぎる。
それだけではない。静寂、孤独感、心細さ、不安、焦り、それらに対する恐怖。今まで理解せず忘れようとしていたのが、皮膚から心へと深く浸透していく。
時間経過もなく景色も変わり映えしないこの空間にいる限り、それらはより強まってる気がする。
大丈夫、いつか見つかるだろ
無理やり状況を楽観視して、自分を落ち着かせる。そうでもしないと、この空間に呑み込まれそうだった。
もうギリギリなのかもしれな
「いって....」
思考の途中、鼻とおでこが痛みと衝撃を訴える。俺の目の前には壁があった。
あれ、なんでここに壁?
確かここに壁はなかったはず。迷わないよう鉛筆の印を着け、それを辿ったのに道を間違える訳ない。もう一度周りを確認してみて、俺は驚く。
鉛筆の印がなくなってる!?
俺が気付かぬ内に構造が変化していたのだ。
今までも変化していたんだとしたら....出口なんて....
出口に着けるには、後どれぐらいかかるのだろう。
暗い部屋の中に入った時、それは来た。
あの足音がまた聞こえてきたのだ。今度は遠くからではなく、近くで聞こえる。さっきより遥かに会える可能性が高い。
よし、今度こそ!
そう思い、一旦壁ごしに様子を確認した時だ。
「!?」
少し離れた位置に、足音の正体がいた。
黒い全身、とても細い針金のような体、ワニ口クリップのような大きな頭。大体俺と同じぐらいの身長のそいつは、とても生物とは思えない見た目だった。
しかし、そいつは確かに動いている。動くたび、あの足音が鳴る。
認識するのに遅れる程、その光景は異様と言えた。
なんなんだ.....なんなんだよアイツ
恐怖が全身を襲う。さっきのもコイツだったのかもしれないと思った途端、寒気がした。
幸いにも奴はこちらの存在には気付いていない。覗くのを止め、部屋の中へ戻る。
隠れないとやべぇ!!
そう思い部屋の奥へ入ろうとするも、その部屋に阻まれた。
その先の床がなかったのだ。その代わりに奈落があると言っていい程、スッポリ抜けている。身を隠せる訳がない。
どうすれば?
そうこうしてる間に、足音は迫ってくる。音を出せばバレる上に、この状況で外へは出れる訳ない。
戦うなんて論外だ。
俺は奈落の方へ視線を落とす。
.....祈ろう
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魔裟斗(プロフ) - トめAと@カド松さん» 主人公君のスタミナと精神が削れていく...多分主人公君なら大丈夫ですよ!多分 (2022年11月20日 10時) (レス) id: c664745501 (このIDを非表示/違反報告)
トめAと@カド松(プロフ) - う、運が致命的に悪い…level!からlevel fun:)は流石に同情しちゃう… (2022年11月20日 9時) (レス) @page32 id: 98a0a1531c (このIDを非表示/違反報告)
魔裟斗(プロフ) - トめAと@カド松さん» 面白いと言って頂きありがとうございます!励みになります!パイプドリームから無事抜け出せても、レベル6やらありますからねぇ...主人公がどんな結末を辿るか、楽しみにして下さい! (2022年10月27日 6時) (レス) id: c664745501 (このIDを非表示/違反報告)
トめAと@カド松(プロフ) - レベル0の足音・・・レベル0ってたしか二人以上同時に会えない性質あったし多分エンティティだな・・・パイプドリームにはたどり着いたがはたして・・・ backroomsの作品少なくて、見に来てしまいました・・・!面白いです。頑張って下さい! (2022年10月26日 21時) (レス) @page13 id: 8b7bdbc23e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:魔裟斗#MEG日本支部 x他1人 | 作者ホームページ:なし
作成日時:2022年10月17日 21時