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意識がぼんやりと戻ってくる。
最初に感じたのは、鼻の奥の方へ何かが侵入している不快感と、呼吸ができない息苦しさ。鼻から入ってきた物が、そのまま喉へ落ちるという時、ようやく上体を飛び起こす。
「ッ!?」
何だこれ!!?
そう思い地面を見ると、下半身が揺れて見えていた。いや、いくら混乱していてもこれを認識できない事はない。
「水......?」
誰に聞く訳でもないのに、そう疑問形に呟く。
そう理解したタイミングで、鼻が痛みと違和感を叫ぶ。鼻に入った水分を追い出そうと鼻息を鳴らすが、水の一滴も出そうではなかった。
仕方なく汚れてるかもしれない水を飲み込む事にし、状況把握を優先する。
目に入ったのは、その何もない白いタイル張りの部屋。
部屋は自室やらと同じ広さぐらいで、同じような部屋が四方向にずっと連なっていた。四方向のその先は黒みがかっており、見るだけでかなり不安にさせられる。
俺の膝ほどある水は白い部屋とは綺麗に区別されており、湯船に貯められた水の色より濃い色をしていた。白い部屋と同じく、どこまでも続いている。
おそらく窓だと思えるところからは光が差し込んでいた。外は、一面中白という以外なにも分からない。出口ではないのは確実である。
......なんなんだ、ここ
少なくとも、そこが新しいlevelなのはわかった。
それが確認できて、ひとまず安心する。が、ここで大事な事を思い出す。
待て、修どこだ!?
「おーい!!!修?」
あれからはぐれた修を探しているが、一向に返事はこない。来たとしても、それはむなしく反響した自分の声なのだ。
座ろうにも水に浸かりたくはないので、壁に背中を預ける。
着替えてぇ......最悪だ
服やリュックはたっぷりと水を含んだせいで、ほとんど濡れている。とてつもなく嫌な気持ちにさせられるが、水が生ぬるいのがせめてもの救いだろう。
着替えは修学旅行の奴を袋に入れてあるからまだいいが、日記帳が濡れているかが不安だ。多分大丈夫だとは思いたいが。
......修も修でどこ行ったんだ?別のlevelに行ったか?
ここにいる可能性も0ではない。水の音を辺りに鳴らしながら、重い足を動かす。
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魔裟斗(プロフ) - トめAと@カド松さん» 主人公君のスタミナと精神が削れていく...多分主人公君なら大丈夫ですよ!多分 (2022年11月20日 10時) (レス) id: c664745501 (このIDを非表示/違反報告)
トめAと@カド松(プロフ) - う、運が致命的に悪い…level!からlevel fun:)は流石に同情しちゃう… (2022年11月20日 9時) (レス) @page32 id: 98a0a1531c (このIDを非表示/違反報告)
魔裟斗(プロフ) - トめAと@カド松さん» 面白いと言って頂きありがとうございます!励みになります!パイプドリームから無事抜け出せても、レベル6やらありますからねぇ...主人公がどんな結末を辿るか、楽しみにして下さい! (2022年10月27日 6時) (レス) id: c664745501 (このIDを非表示/違反報告)
トめAと@カド松(プロフ) - レベル0の足音・・・レベル0ってたしか二人以上同時に会えない性質あったし多分エンティティだな・・・パイプドリームにはたどり着いたがはたして・・・ backroomsの作品少なくて、見に来てしまいました・・・!面白いです。頑張って下さい! (2022年10月26日 21時) (レス) @page13 id: 8b7bdbc23e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:魔裟斗#MEG日本支部 x他1人 | 作者ホームページ:なし
作成日時:2022年10月17日 21時