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お昼ご飯を食べて、第二図書室で昼寝するルーティンはイドンヒョクとの出会いによって崩されて、最近は第二図書室でイドンヒョクとただ話す時間になりつつあった。
「合コン行かなかったのえらいね」
「まあ、元々乗り気じゃなかったし」
この日も、第二図書室には、既にイドンヒョクがいた。
開口一番に、昨日の話をされるとは思わなくて恥ずかしくなった。
イドンヒョクの正面に座ろうとすると「おおーん、違うでしょ」と隣に座われとただをこねる。
いや……恋人でもないのにおかしいでしょ。って思ったけど、無理矢理私の手を引いて横に座らせるのだった。
「別にわざわざ隣じゃなくて良くない？」
「良くねーよ」
それとも俺の隣嫌なの？ と不機嫌そうにするイドンヒョク。
「嫌じゃないけど……」
「じゃあ、良いじゃん」
イドンヒョクとこうやって話すようになって気づいたけど、この男は人の懐に入るのが上手い。
ちょっと前まで、ただのクラスメイトだったのにいつの間にこの距離感までもが当たり前になりつつある。
「今週の土曜さ、空いてる？」
「なんで？」
「バスケの練習試合あるんだけど、Aちゃんに来て欲しいなって」
「へえ、くまちゃんバスケ部だったんだ」
「知らなかったのかよ」
「うん」
ルックスも良くて、スタイルも良くてオマケに、バスケ部。すごいモテそう。
「で、どう？ 来てくれない？」
「うーん、私バスケ分かんないしなあ……」
「お願い♡ くまはあ、Aちゃんが来てくれると勝てそうなの♡」
きゅるっと愛嬌。
私はなんでかこの愛嬌に弱いのだ。それを知っててやってんのか、知らずにやってるの分からないけど、タチの悪い男と仲良くなっちゃったなって少し後悔する。
「わかったよ……行けばいいのね」
「やったー！ 絶対勝つから見てて」
「はいはい」
ひとりで行くのは気が引けるし……アユンでも誘おうかな。
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作者名：砂糖と塩 | 作成日時：2023年5月18日 8時
