SUMM3R SUN (ページ4)

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　図書室でのやりとりから数週間たった。

　あれからイドンヒョクとの距離感は、特別変わらないままだった。会話がすごく増えたわけでもなく、交換したカトクも頻繁にやりとりするわけでもなかった。
　それでも一応変化はあって、イドンヒョクとときどき目が合うと、きゅるっと愛嬌をしてくるようになった。あと第二図書室にときどき顔を出すようにもなった。

「また寝るの？ Aちゃん」
「また来たの？くまちゃん」
「なあ、そのくまちゃんやめない？」
「やめな〜い」

　イドンヒョクは「さん」付けじゃなくてAちゃんって呼ぶようになったし、私はイドンヒョクの
ことをくまちゃんと呼ぶようにもなった。

　イドンヒョクは私の手を取るとふにふにと触ったりして遊んでる。私は眠いから寝たいんだけどな。

「くまちゃん、寝てもいい？」
「おー寝てな、起こしてやるよ」

　とまあ、彼が来ようが来るまいが私は寝てるんだけど、来たときにはイドンヒョクが起こしてくれるようになった。

「ねえ、A」
「なあに、アユン」
「今日合コンしよ、合コン」

　五限目が終わった休み時間、アユンが思い立ったように提案してきた。

「ごお〜こん〜？」
「そ！」
「アユンこの前彼氏と別れたばっかじゃん」
「だからなの！ねえ、A行こうよ」
「え〜私彼氏いらないし」

　私が合コンを渋っていたら、駄々こねるモードになっちゃったアユンは大騒ぎしている。
　ちょっと……やめてよ……目立つじゃん。
　すると、スマホにメッセージが届く。

「……？」

우리귀여은 곰合コンなんて、そんな危険なところに行っちゃいけません。

　
　と、怒った可愛いくまのスタンプが送られてきた。
　イドンヒョクに聞こえてたのか……恥ずかしい。

　A行かないよ。それに私には可愛いくまがるからね。

　そう返したらメッセージを読んだであろうイドンヒョクと目が合って、愛嬌を食らった。

「ごめん、可愛いくまが合コン行くなって言うから、合コン行けないわ」
「は？くま？」
「そ可愛いくま」
「意味わかんねー！アユンよりその意味わかんない『くま』を優先するの！」

　謎の理由で断られたアユンはさらに騒ぐもんだから、こっそりとイドンヒョクのほうを見ると、なんでかドヤ顔してた。