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「あっ、こんなところにいた」
「ドンヒョク！」
ファンロンジュンのデッサンのモデルに付き合って一時間経った頃、汗だくのドンヒョクが教室に現れた。
「探したんだけど、Aちゃん電話出ねえし……ロンジュナが面倒みてくれてたのか」
「ごめんごめん、お前んとこのエギ預かってたわ」
「ねえ、その『エギ』って何……私赤ちゃんじゃないんだけど」
「エギはエギだろ、な」
「おう」
おうって……否定してよドンヒョク。
「まだデッサンやってる？ 部活終わるまで預かっててようちのエギ」
「いいよ、面倒みてるよ」
「ねぇ、ちょっと……」
当たり前のように赤ちゃん扱いしないでよ。
「じゃあ、俺行くけど大人しくしてるんだよAちゃん」
「ムカつく！ 先に帰ってやる」
「だめだめ、ロンジュナ見張ってろよ」
「だとよ」
「……」
ドンヒョクが去って、「一旦休憩入れるか」ってことでふたりでまったり中。
「ファンロンジュン」
「ロンジュンでいいよ」
「そう？ そしたら私も呼び捨てでいいよ。えっと、その……後夜祭良かったの？」
みんなで勉強会した日、せっかくだからと後夜祭みんなで集まろうって話になった。
「なにが？」
「流れで、後夜祭のとき集まろうってなっちゃったじゃん？」
私たちそんなに仲良い訳じゃなかったし。それにあんまり他とつるもうとしないでしょ君たち。
「んーまあ、そうだね」
「でしょ？」
「そうだけど、それ以上にAのこと気になってたし、Aの友達ならいい子でしょ」
「えー……そんなもん？」
「もん」
「そっか」
いいな、ファンロンジュンの空気感。
なんて思ってたら教室ドアが開く音がして、振り向くと今度はナジェミンが「あら♡」って顔で教室に入ってきた。
「エギはロンジュナのところに居たんだね」
「だからさ、そのエギってなんなの！」
「エギはエギだからねえ。ね、ロンジュナ」
「おう、Aはエギ」
「……で、ナジェミン部活は？」
もう否定するのも馬鹿馬鹿しくなってきた。
「俺は写真部だから、今日は被写体探しで自由時間中」
「ふーん」
「どうせならジェミナもAをモデルに写真撮ったら？」
「あーいいね。Aちゃん良い？」
「はあ……。も〜好きにして」
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作者名：砂糖と塩 | 作成日時：2023年5月18日 8時
