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「ごめん」
「……許さない」
とうに許してるから、本当は大丈夫なんだけどちょっと意地悪な気持ちが出た。
そしたら傷ついた表情になるイドンヒョクにちょっとやりすぎたと反省。
「イドンヒョク……パフェ奢ってくれなきゃ許さない」
私がそういうと、イドンヒョクは少し笑って任せろと呟いた。
「で、ナジェミンがいたと思ったんだけど、なんでくまちゃんがいたの？」
仲直りしたその足で、パフェを食べに近くのカフェに向う。こうやってイドンヒョクの隣を歩くのはすごく久々な気がしてくすぐったい。
「帰ろうとしたんだけど、ジェミニに捕まって」
「……じゃあ最初からいたの？」
「いたよ、全部聞いた」
「そっか」
「Aちゃん」
「なに」
名前を呼ばれて、手を掴まれる。
振り返ると真剣な顔をしたイドンヒョクがいて。
「俺のこと、くまちゃんじゃなくてドンヒョクって呼んでよ」
なんていうから、ドキッとした。
「……いいよ」
「……はぁ……よかった」
息を止めてたかのように、大きく息を吐くドンヒョク。
「よかったって何が？」
「断られたらどうしようかと思ってた」
「そんな名前くらい断んないよ」
「だってAちゃん、ふたりのときはくまちゃんだしみんないる時はイドンヒョクだから……それに」
「それに？」
「俺、Aちゃんに意地悪しちゃったから」
「あ〜…………無視されたの傷ついたんだから」
「ごめん」
「もう無視しないでね」
「絶対しないから」
反省してるドンヒョクが可愛くてケラケラ笑うと、「笑うなよ」ってまたちょっとムッとするドンヒョク。
「もう、俺Aちゃんと喧嘩したくないわ」
「私も」
というかもう、喧嘩なんてしない気がする……。
よくわかんないけどそう思う。
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作者名：砂糖と塩 | 作成日時：2023年5月18日 8時
